とおりすぎの記

 考えごとを書くブログ。書いたはなから通り過ぎていくようでもある。

虫の声、花が咲くように

 

昨夜もこおろぎやかねたたきの声がしていた。昼にもかねたたきがゆっくりペースで鳴いていた。このところ暖かかったためだろう。虫の声を3、4か月くらい聞いているけれど、秋が進むにつれてだんだんと声が少なくなってきた。寒い夜には声がしない。虫の声がしないとさびしい。

 

いま庭には、しろはらやうぐいすなど冬の鳥が来ている。秋が深まるとやってきて、春まで居る。プランターで世話をしているイヌノフグリが少し前から花を咲かせ始めた。さざんかや菊の花も咲いている。

入れかわり立ちかわり、そのときどきの季節にその季節のいきものが現れたりやってきたりする。草や木の花が咲く。そうして季節が移ろってゆき、年が変わる。来年になれば、また同じ季節に虫の声がしているだろう。ただ、来年鳴いているのはいま居るこおろぎやかねたたきではないだろう。

 

虫の声というのは花のようなものなのかもしれない、と、ふと思った。そしてカテゴリーミステイクのような気もするけれど、その虫が居るということも、その鳥が居るということも、いきものが、ものが「居る」ということも、花が咲いているようなことなのかもしれない。であればおそらく人も、私もなのだろう。