「脳死は人の死である」と言う者がもしいるとしたら。
いったい、当人以外の誰に、その人が死んだと言えるのか。
考えてほしい。あなたが死んだかどうかを、他の人が決めて、あなたはそれでよいのか。ほんとうのところ。考えてほしい。よくよく考えてほしい。
生きているまわりの人々がその人を死んだと決めるのは、仕方なく、ほんとうに仕方なくやっていることにすぎない。
人がいつ何の時点で死んだのか、まわりの人々は誰もわかりはしない。誰も。そのことを思い知らなければならない。
この人が死んだと決めることを、おそれなければならない。